大きな黒い霊柩車のような不審な車。かつてこの車を見た翌日、隣の家族は忽然と姿を消した。その同じ黒い車が、密かに想いを抱く浅井安奈の家の前に停まっている。安奈はあまり幸福と言えない学校生活を送っている可憐な少女で、趣味を通して最近少しだけ仲良くなってきたところだった。膨れあがる不安感に押され家の中に忍び込んだ多代亮介は、傷ついた安奈を連れ出して逃亡した。蒼衣が深い傷を抱えた後、処分しそこなった〈泡禍〉被害者を探すため、瀧修司と可南子の工房を訪れた蒼衣たち。だが可南子に対して雪乃は恐怖を感じずにはいられない。雪乃は生き返りという概念に疑問が隠せず――。『Missing』の世界を幻視した『マリシャス・テイル』を書き下ろし収録。

