高校生の絃(いと)は、数年前から突然、他人の頭上にあるマークが見えるようになる。嫌なことがあるとそのマークが点灯し、「消えたい」という願いがわかるのだった。過去にそのマークのせいで友人に拒絶され、他人と関わることが億劫になっていた絃。そんなある時、マークが全く見えないクラスメイト・佳乃(かの)に出会う。常にポジティブな佳乃のことをはじめは疑っていた絃だけれど、佳乃の感情はいつだって一定で変わらない。そんな彼女と過ごすうち、絃は人と向き合うことに少しずつ前向きになっていく。しかし、彼女はじつは悲しい秘密を抱えていて・・・。「君には生きていてほしい。そのままの君と一緒にいたいんだ」生きることにまっすぐなふたりが紡ぐ、感動の物語。