頭脳明晰で眉目秀麗、そして誰にでも分け隔てなく親切な、若き公爵エリオット。
そんな彼が、姿を見ただけで美しい顔を歪めるほど苦手な人物――それが彼の婚約者であり、本日妻となったアメリアである。
幼い頃は仲睦まじく過ごしてきた2人だったが、両親が亡くなり、養父に監禁されるという困難を乗り越えたアメリアがエリオットと再会する頃には、彼は彼女に冷たい瞳を向けるようになっていた。
親が決めた婚約だからと契約を破棄することなく今日を迎えてしまったエリオットを解放するため、アメリアは彼に離縁を申し出るも、エリオットはアメリアに無理やりキスをし身体を暴こうとしてきて!?
必死に抵抗するアメリア。しかし、次に口を開いたエリオットは、まるでかつての、アメリアを慈しむ優しいエリオットそのもので……?
「アメリア、ごめん。こんなに君に嫌われているのに。俺は今、ようやく君に触れられたことを喜んでいる」
呆然とするアメリアに、態度が急変した彼が語った出来事は、アメリアをさらに困惑させるものだった――。