現役弁護士にして元外科医の著者が、「医療過誤事件」のリアルを描いた小説。 ステージIの直腸がんの手術で、術後3日目の大出血により死亡した夫。手術ミスを確信する妻は、銀子に医療訴訟の弁護を依頼する。その病院は、14年前、20代の健康な女性が気胸の手術で命を落とした事件で、銀子が、師匠と仰ぐ弁護士のもとではじめて医療訴訟を戦った病院だった……。 医療の現場で、裁判で、患者側に寄り添い闘ってきた著者にしか描けない医療過誤事件のリアリティが、銀子というアマゾネスに託して描かれる。医療小説として、十分に読み応えのある内容。2つの事件を経て、「銀子」自身が成長する物語にもなっている。
〔目次〕プロローグ
1.病院で殺された
2.密室での心得
3.長引いた手術
4.ICUにて
5.苦い過去
6.ビデオの衝撃
7.ウソの代償
8.真っ赤なスーツ
9.女の闘い
10.母の無念
11.涙の法廷を終えて
12.被害者は誰か
13.新たな戦い
14.黒づくめの男たち
15.ビデオは語る
16.10分の戦場
17.迫る証人尋問の日
18.父、裁判に出る
19.外科医のプライド
20.違和感の正体
21.戦いは続く
エピローグ
推薦の言葉
あとがき