ある事情で停職中のケイレブ警部にかわり、彼の部下だったロバートとケイトが謎のふたつの事件の捜査にあたることになった。列車で狙われた女性は、イギリス人と結婚したロシア人で、捕まらない犯人に怯え、ケイトにすがるようになるが、なにかを隠している様子にケイトは疑念を抱く。一方、四肢麻痺となり言葉も失った教師は、リハビリ施設への移送中に車ごと何者かに拉致される。どちらの事件にも、過去の恐ろしい出来事が絡んでいた。ドイツミステリの女帝が贈る、息を呑む慟哭のサスペンス! これほど衝撃的な作品がかつてあっただろうか?/解説=大矢博子