データサイエンスの活用がビジネスや行政で広がり、これまでにない新しい活用事例が増えている。それに合わせた人材育成が急速に展開され、多くのビジネスチャンスが生まれる一方で、責任あるAI(AIの公平性・透明性の担保)、少数企業によるAI市場の寡占化によって生じつつある技術主権の問題など、多くの解決すべき課題が生じている。これらは、従来のデータサイエンスや社会科学だけで解くことができないトランスサイエンス的問題であり、新しい知の融合による解決が待たれる。近年、社会科学とデータサイエンスの融合によって生まれたソーシャル・データサイエンスに、上記の課題解決への貢献が期待されている。本特集では、ソーシャル・データサイエンスとは何かを示し、その事例の紹介を通じ、データサイエンス以降の社会を展望する。主な執筆者は、七丈直弘、清水千弘、檜山敦、寺田麻佑(一橋大学)、副島豊(SBI金融経済研究所)、赤井厚雄(ナウキャスト)。ビジネスケースは、吉本興業と花岡車輌。経営者インタビューは。西川徹(Preferred Networks代表)、倉又朗人(ノベルクリスタルテクノロジー社長)。