『フォーク』と呼ばれる人間と『ケーキ』と呼ばれる人間が共存する、グラエキア王国。
味覚がないフォークが唯一味を感じられるのは、ケーキを食べる時だけ。
さらに、フォークは獣の耳と尾を備え、獣化してしまう獰猛な特性を持っている。
そんなグラエキア王国では、フォークである第二王子のクラウディオのために
国中からケーキが集められていた。そこへ志願したキアルは、
七歳の時にクラウディオに救われた過去があり、実家の店で作ったパンを食べてもらおうと、
友人として遥々田舎町からやってきた。
でも、再会したクラウディオはキアルのことを覚えておらず、そればかりか、
空腹が刺激されたクラウディオにキアルは食事として激しく抱かれてしまう。
そこで初めて自分がケーキだと知ったキアルは、クラウディオの役に立てると喜ぶが、
実はクラウディオはフォークである己を嫌悪していて、
これまで一カ月に一度の食事しかしてこなかったという。
それでも、キアルの匂いだけは美味しく感じるらしく、甘い誘惑に抗えず・・・?