ひとはひとりでは生きていけませぬ――。愛する者のため剣を抜いた男の運命は!?りり、りり、りり……草雲雀は一晩中、恋の歌を唄う。媛野藩の若き藩士、栗屋清吾は風采の上がらぬ三男坊だが、剣はめっぽう腕が立つ。女中のみつと深い仲になり妻とするが、家長の長兄には認められていない。そんなとき、道場仲間の山倉伊八郎から自分の用心棒になるよう頼まれる。伊八郎は実父の後を継ぎ、藩の筆頭家老になるには清吾の剣の技が必要だという。「子どもを持ちたい」というみつの願いに応えるために申し出を引き受けたものの、伊八郎の出世を阻もうとする敵からの刺客が次々と襲い掛かり……。解説・島内景二単行本 2015年10月 実業之日本社刊文庫 2018年12月 実業之日本社文庫刊文庫 2024年12月 文春文庫刊この電子書籍は文春文庫版を底本としています。