あやかしの姫・毬藻が王位に就いてから数年間、あやかしと人間はうまく棲み分けができていた。しかし、一年と少し前、先代のあやかし王だった夏麦が忽然と姿を消して以来、両者の関係はおかしくなり、さらにはある事件をきっかけに諍いが絶えない。そんなある日、白馬に乗った白い狩衣姿の青年が、たった一人で毬藻を訪ねてきた。なんと彼――日向は帝であり、人間とあやかしの友好の証として、毬藻に「妃になれ」と言ってくる。堂々と乗り込んできた日向を信じて入内する毬藻だが、あやかしと人間の常識の違いに日々問題が勃発。そこに、夏麦が失踪した本当の理由や都を巡る陰謀が絡み合い…?