皇后シエナと皇帝アーノルドは生まれた時から結婚が決められていた。
幼馴染であるそんな二人だが、そこには確かに愛はあった。
だが、ある日突然、アーノルドは愛人を連れてきた。
互いを信頼して支えあい、切磋琢磨しながらこの国のために生きてきた。
しかし、そう思っていたのはシエナだけだったのかもしれない。
平民の金髪碧眼であるアメリを侍らせて『愛人にする』と宣言するアーノルド。
趣味の悪いドレスを着て、挨拶もまともにできないようなアメリをかわいがる夫を見て、シエナは普段の冷静さを失い、取り乱す…………はずだった。
シエナはまるで動じる様子もなく、宮廷にアメリを受け入れた。
謎の愛人アメリの正体、アーノルドの思惑とは一体何なのか……。
陰謀渦巻く宮中で、夫の浅はかな策略を逆手に取るしたたかな皇后のお話。
『ある日突然、夫が愛人を連れてくるものですから…(2)』には「第一部 長期休暇を申請したい」~「第一部 イーサン・ベレスフォードの悲劇」までを収録