自衛隊には、陸上自衛隊に特殊作戦群、海上自衛隊に特殊警備隊という二つの特殊部隊が存在する。そして、それぞれその創設者は、“異端”と呼ばれた自衛官であった。本書は、自衛隊退官後も親交が続く、その二人の創設者による初の対談本である。特殊部隊創設の経緯から、ベールに包まれた組織の姿、そして「戦うこと」の意味と本質を縦横無尽に語り合う。【目次】はじめに―伊藤祐靖第一章日本の特殊部隊第二章ふたりの“異端”自衛官第三章私たちが退官した理由第四章命を捨てても守りたいものおわりに―荒谷卓【著者プロフィール】荒谷卓(あらや・たかし)元特殊作戦群群長。昭和34(1959)年、秋田県生まれ。東京理科大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。第19普通科連隊、調査学校、第1空挺団、弘前第39普通科連隊勤務後、ドイツ連邦軍指揮大学留学。陸幕防衛部、防衛局防衛政策課戦略研究室勤務を経て、米国特殊作戦学校留学。帰国後、特殊作戦群編成準備隊長を経て特殊作戦群群長。平成20(2008)年退官。明治神宮武道場「至誠館」館長を経て、平成30年、国際共生創生協会「熊野飛鳥むすびの里」を開設。著書に、『戦う者たちへ』(並木書房)、『自分を強くする動じない力』(三笠書房)などがある。伊藤祐靖(いとう・すけやす)元海上自衛隊特別警備隊先任小隊長。昭和39(1964)年、東京都生まれ。日本体育大学卒業後、海上自衛隊入隊。防大指導官、「たちかぜ」砲術長等を歴任。イージス艦「みょうこう」航海長時に遭遇した能登沖不審船事件を契機に、自衛隊初の特殊部隊である特別警備隊の創隊に関わり、創隊以降7年間先任小隊長を務める。平成19(2007)年、退官。拠点を海外に移し、各国の警察、軍隊などで訓練指導を行う。著書に、『国のために死ねるか』(文藝春秋)、『自衛隊失格』『邦人奪還』(ともに新潮社)などがある。発行:ワニ・プラス発売:ワニブックス