義兄への密かな愛。たとえ忘れられても、愛してる。
ケイトリンは代理母として産んだ三つ子を育てている。三つ子の両親である姉と夫の大富豪アントニオの乗った飛行機が墜落、乗員乗客全員が亡くなるという悲劇が起きたのは1年前。いまだ家族を突然失った喪失感が癒えないまま、姉夫妻のものだったマリブの豪邸で暮らすケイトリンの前に、にわかには信じられない人物がなんの前触れもなく現れた――死んだはずの義理の兄アントニオが、三つ子の父親が帰ってきたのだ!7年前に初めて会ったときから、ケイトリンは密かに彼を愛していた。彼は生きていた! だが喜びに浸る間もなく、残酷な現実が明らかに。アントニオは事故の衝撃で記憶喪失になり、彼女のことを忘れていた……。
■義妹のケイトリンのことも、亡き妻のことも、自分が三つ子の父親だということも思い出せないアントニオ。かつての彼に戻ってほしくて献身的に寄り添うケイトリンですが、華やかだった姉に比べて地味で控えめな自分は彼にふさわしくないと感じていて……。