むかしむかし、自分を山に追いやった村人を虐殺しようとしたとして妖や魔物を祓ったり退治することを生業にしてきた桃治(とうじ)一族に封印された鬼・ウラ。600年後の現代で、桃治家の次男・三清(ミキヨ)に封印を解かれる。三清は幼いころからウラの伝承を聞かされ恋焦がれていて、ウラを妻にするために封印を解いたと告げられる。戸惑いながらも人のぬくもりが恋しいウラは三清と体を重ねる。しばらくは平穏な日々を過ごすが、あることをきっかけに変化がある。三清の兄・静斗(シズト)が珍しく家を訪ねてきたのだ。何かを恐れる三清に「外に出るな」と忠告されるも、外の世界へのあこがれが募るウラ…。ある日我慢できず、三清が仕事で家を空けているスキに抜け出し街に出る。初めて見る光景に狼狽えているところを、静斗が差し向けた部隊に捕らえられてしまい───…。本文34ページ