【内容紹介】
◆部分最適の先にある「全体最適」へ
事業計画や会議の議事録、在庫管理、決算処理、さらには従業員の勤怠管理まで、いまや企業活動のすべてがデジタル化されている。
しかしデジタル化による効果は、多くの場合、「時短になった」などという表面的な部分にとどまっている。
言うなれば「部分最適」である。
デジタル化によって作業効率や生産性が高められたのであれば、「部門間の連携が強化され、新たな企業価値創造につながった」という経営効果が現れてしかるべきだ。
それなのになぜ日本企業の多くは「部分最適」にとどまり、「全体最適」できないのだろうか。
そこには依然として、「テクノロジーは効率化の手段」と見なす企業風土があるのではないか?
本書ではテクノロジーによって経営効果を高めるためのアプローチを、実際の企業での取り組みを例に紹介する。
「もしあなたが、ITに使われる人でなく、使いこなす人になりたいなら」――『経営戦略全史』著者・三谷宏治氏推薦!!
【著者紹介】
[編著]宮本裕司(みやもと・ゆうじ)
MBA修了後グローバルビジネス、社会課題、イノベーションなどを中心に研究。2021年よりSAPジャパン株式会社。著書『DXを探せ!』(中央経済社・共著)。
【目次抜粋】
■はじめに 経営とテクノロジーの新たな関係
■Chapter 1 今、講ずるべき経営の打ち手
日本企業の強みと弱みとは
現場の本質とは何か
歴史的経路依存症から脱却する
デジタルトランスフォーメーションは炊き込みご飯
IT人材は本当はたくさんいる
縦割りは社員と顧客の天敵
行動変容に必要な「根拠」
戦略は組織に従う?
日本企業は日本文化に従う
■Chapter 2 経営改革の実践者たち
事例01:ファインネクス~年商60億円のグローバルニッチトップが挑んだ興隆と危機
事例02:TOA~地産地消ビジネス企業が成し遂げた世界共通のマネジメント
事例03:NTTアドバンステクノロジ~継続的な改革。ERP導入から5年の軌跡と挑戦
総括――過去、現在、未来のバランス配分
■Chapter 3 データ活用の実践者たち
事例01:阪急阪神ホールディングス~「都市データ」クラスの大規模データ活用への挑戦
事例02:塩野義製薬~グローバル展開を目指す、ヘルスケア領域のデータ活用
事例03:ProFinda~リスキリングの成果を活かす、エンドツーエンドのデータ活用
総括――“分析”と“処理”がデータの両輪
■Chapter 4 社長が語る経営の本質
対談:萩原工業代表取締役社長 浅野和志氏×生方製作所代表取締役社長 生方眞之介氏
■Chapter 5 事例に学ぶ意義
個社による情報収集の限界
なぜ事例が欲しいのか
それでも事例から学べること
経営リスクの最小化という観点で学ぶ
■あとがき