後期ウィトゲンシュタインの代表作『哲学探究』をわかりやすく読み解く『哲学探究』を、ひとりでよんでいくのはとても骨がおれる。最初は、とにかく何をいっているのか、さっぱりわからない。何が問題になっているのかが、そもそもわからないのだ。(中略)この哲学者の思考の癖のようなもの、かれ特有の考え方は、わかっているつもりだ。それを読者のみなさんに経験してもらうのが、本書のねらいだといっていい。『哲学探究』という本は、そこにかかれている体系や情報を手にするといったやり方からは、もっとも遠い本だ。ウィトゲンシュタインの思考の運動を体験するためだけの本なのである。(「はじめに」より)(目次)第1章 語の意味とは何か (語の種類/第1節, 建築家と助手第2節 ほか)第2章 言語ゲーム (Sprachspiel/第7節、言語ゲームの拡張/第8節 ほか)第3章 語の意味とは、その使用である (語の意味/第38節/第40節/第43節、家族的類似/第65節/第66節/第67節/第69節/第70節/第71節)第4章 私的言語 (ひとりごとしかいわない人たち/第243節、痛み/第244節 ほか)