ローズハート男爵家の長女アメリアは幼い頃に実母を亡くし、父や義母、異母妹と馴染めず疎外されて生きてきた。そのため彼女は家族が暮らす王都の屋敷を早々に去って小さな自領に引っ込み、今では絵を描いて暮らしている。幸い絵の才能があったようで、画商の手助けもあってそこそこ売れていたが、後継者問題が目の前に立ちはだかる。そんな時、彼女の元に北の辺境伯領から婚姻の申し込みがきた。相手は国の英雄と呼ばれる、御年六十を越える人物。接点もなく、孫ほど歳の差がある自分に、なぜ婚姻の話が持ち上がったのか疑問は晴れないが、身分差もあり断ることはできない。とはいえ特に悲観することもなく、アメリアは北の辺境伯領へ発ったが……!? ※電子版は単行本をもとに編集しています。