「悪女エステル・オブラン。俺と結婚しろ」
魔法陣研究に情熱を注ぐ子爵令嬢エステルは、
初対面の「氷の侯爵」ジェラルドから突然の求婚を受ける。
父によると彼は「稀代の悪女」をお求めらしいが、
その呼び名は妹がエステルの名を騙って広まったものだった。
なぜそんな事をと疑問を抱きつつ侯爵家へ出発するエステルは、
父から「離縁されたら研究資料を燃やす」と告げられてしまう。
……という事は、私は悪女にならねば
資料を燃やされるのか。なんてことだ。
大事な研究資料を守るため、エステルは悪女を自称しながら
侯爵家での暮らしを記録していく。