AAASカブリ科学ジャーナリズム賞受賞者の最新刊が日本上陸!
13年連れ添った夫を癌で亡くした著者は、もっと上手に人を愛せるようになりたいと、愛とは何か探求しはじめる。
愛こそが人間を種として特徴づける。また愛は私たち一人一人の個性を特徴づける。ここに鍵がありそうだ。
自分自身のことを真に知る最良の道は、人が愛とどう向き合ってきたかを解き明かし、その原因を探すことだ。
そのため著者は、自分自身の内情をさらしはじめ、個人的な問いを立てることで、一般的なものの見方を模索する。
・なぜ子ども時代の親との愛着関係が、大人になってからの恋愛関係に影響するのか?
・「浮気の遺伝子」が発見された?
・運命の相手(ソウルメイト)は存在するのか? などなど。
溺愛してくれた父のこと、両親の離婚、高校生の時に乳がんで亡くなった母との思い出、父のアルコール中毒と浮気と肺炎による死、年の離れた弟との不仲、夫とのネット上での出会いや、夫と出会う以前の男性関係などを振り返り、自分は他者への共感力が低く、無感情で、回りの人のことなど気にしない冷たい人間なのでは、と不安を抱く。
さらに、子どもを持たないのは、大人になることから抗おうとする未成熟な精神の表れなのか、といった極めてパーソナルな葛藤と向き合う。
過去の記憶と、心理士のアスガー・ノイマンなどの研究者たちと対話を交わす中で、ネットの登場によるコミュニケーションの変容、心理学における愛着研究の変遷、恋愛による脳の活動や分泌される化学物質など、愛にまつわる様々なテーマについて、哲学、心理学、神経科学、進化生物学など複数の学問を横断しながらめぐる壮大な精神的旅路。