伯爵令嬢のミレーヌは、実は国王と第二王妃との間に生まれた王女だった。
しかし、派閥争いにミレーヌを巻き込みたくないと考えた国王は、幼いミレーヌを伯爵家へ養子に出した。
養父母から愛されながら伯爵令嬢として幸せに暮らしていたが、養母が亡くなって数年後、ミレーヌが14歳の時に後妻としてきた継母は、ミレーヌの姿を見た途端に心底嫌そうな顔をした。
愛されようと努力したが、継母の態度は、良くなるどころか悪くなる一方で、ついに「その顔を見るのは耐えられない」と言われ、ミレーヌは16歳のときに遠く離れた領地の屋敷に追いやられた。
ある日、本家で開かれた舞踏会の帰り道、突然目の前に美しい青年が倒れ込んできた。
怪我をしているようで気を失っており、そのまま放置するわけにもいかず、ミレーヌは彼を領地の屋敷へ連れ帰った。
青年は目を覚ましたが、どうやら記憶がないらしく、アルと呼ばれていた記憶だけがぼんやりあるという。
アルは記憶が戻るまで執事補佐兼護衛騎士としてミレーヌの側にいることになったのだが、彼は次第にミレーヌへの思いを募らせ溺愛するようになる。
そんなある時、隣国から第二王子アルフォンスの側近だという男が現れた。
記憶のないアルは実は隣国の王子で、なんと命を狙われているという……!?
作者より
厳しい境遇の中でもひたむきに前向きに生きるヒロインと女性が苦手な記憶を無くしたヒーローが出会い、事件に巻き込まれながらも愛を育んでいくお話です。
二人を取り囲む男性陣の強い絆にもぜひ注目していただき、様々な愛の形を楽しんでもらえたらと思います。
こちらでは本編内で記憶が戻る前の二人の距離が縮まっていく詳しいエピソードと結婚後の番外編が追加されています。
『道端で拾った美青年はどうやら高貴なお方らしい【完全版】』には「第一章 道端で美青年を拾う 一 出会いは突然に」~「番外編(書籍版特別書下ろし) 三 二人の長い長い夜」を収録