四年前、騎士だった父が亡くなりニナの家庭は困窮した。
しかし、第三騎士団長に就任したばかりのフレデリックに助けられ、平民ながらも第三騎士団の専属事務官として働くことになった。
ニナは恩人であるフレデリックのために真面目に一生懸命働いていたのだったが、ある朝、国内屈指の剣士であるフレデリックの悲鳴が響いた。
ニナは団長室に慌てて様子を見に行ったが、フレデリックに怪我はない。
しかし、どこからか謎の音が響き渡る――。
『ぱおーん』
その音、いや、鳴き声だけが聞こえはじめるや、今まで優しかったフレデリックが突然よそよそしくなり、ニナを避け始めたのだ。
悩んでいたある日、知らされたその音の正体は、フレデリックの股間だった。
彼の股間は呪いを受けて「象さん」に変わってしまっていた!?
そしてその象さんは『特定の相手に劣情を抱いたとき』にだけ鳴くそうで――。
ニナを目の前にしてけたたましく鳴く象さん……
フレデリックの呪いを解けるのはニナしかいない……!
鈍いヒロインと鈍いヒーローが繰り広げるじれじれラブコメディ!
『騎士団長の象さん事情(2)』には「フレディ」~「退職届」までを収録