伯爵令嬢のクラリスには、生まれた時から決められた婚約者がいた。
眉目秀麗、文武両道で完璧なエリートである、アンリ・サン=トゥール侯爵令息だ。
幼いころから彼を慕い、心から愛しているクラリスだったが、生まれつき魔力が少ない彼女は周りからの心ない言葉にさらされ続けるうちに、容姿も魔法の才も平凡以下な自分では、優秀なアンリに相応しくないのではと思い始める。
だが、彼との婚約はお互いの祖父が交わした魔法誓約書によって定められたもので、簡単には破棄できなかった。
ある時、彼を自由にする(婚約破棄してあげる)最後のチャンスと、自分で作った魔法薬を飲むのだが……。
「私を騙して婚約破棄なんていけないことをしたら、そのあとどうなるか考えなかったの?」
クラリスの計画はあっという間にアンリに見抜かれ、彼の屋敷に連れ帰られてベッドでのお仕置きが始まってしまって――。
ささいなかけ違いから、大切な想いがすれ違ってしまうクラリスとアンリ。
そんな二人が寄り添い、幸せになるまでの物語。
『婚約破棄を目指したら、メガネを外した堅物エリート婚約者様にお仕置きされてしまいました。(2)』には「二 お仕置き」(後半)~「四 『続き』は甘く……」(前半)までを収録