2月の九州、博多。いまだ春の訪れぬこの地に、男子マラソンの猛者たちが続々と集結しつつあった。めぐまれた体格をベストコンディションに仕上げてきた中田。スピードでは誰にも負けない荒木。人気No.1の爽やかランナー五十嵐。そして、小柄だが可能性は未知数の一等(いっとう)。4人全員が、世界を舞台にしても堂々と戦えるだけの力を持っている。とはいえ、男子マラソンのオリンピック代表選手枠は3人。この内の誰かひとりだけが敗れ、夢を目前にして悔し涙を流すことになる。サポートチームがいない一等は、勝つための戦略をついに見つけられないままレース前日を迎えてしまった。そして、ライバルたちにも不安の影が忍び寄り……。運命の一戦にむけ、緊張はクライマックス! 若きアスリートたちを描く第12巻(全16巻)!!