男君たちを知ることで、物語がより味わい深く、魅力的に
身分の高くない女性を生涯愛し続けた父・桐壺帝、よき親友でありライバルでもある頭中将、娘の結婚に奔走する明石の入道、思わぬ恋敵となった柏木、出自の秘密を抱えた息子・薫、孫の匂宮など、物語に登場するさまざまな男君たち。実は、彼らには知られざるエピソードが多く、物語を動かす重要な役割を担っている。
本書は、これまであまり取り上げられてこなかった、主人公・光源氏を取り巻く男君たちにスポットを当て、個性豊かな彼らの物語を中心により深く『源氏物語』の世界を堀リ下げていく。
プレイボーイの光源氏と女君たちの物語と思われがちな『源氏物語』の、奥深い物語性が見えてくる一冊。
【内容】
『源氏物語』に登場する主な男君と女君
1章 3人の帝(桐壺帝、朱雀帝、冷泉帝)
2章 恋する光源氏
3章 わけありな親族(頭中将、明石の入道、蛍宮、鬚黒)
4章 愛すべき子孫(夕霧、柏木、薫、匂宮)
コラム 平安時代の官僚制度/雨夜の品定め/男君たちの装い