ぶつかり合う二人の医師の志。命を救えるのはどちらの正義か大学病院で、手術支援ロボット「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條。そこへ、ドイツ帰りの天才医師・真木が現れ、西條の目の前で「ミカエル」を用いない手術を、とてつもない速さで完遂する。あるとき、難病の少年の治療方針をめぐって、二人は対立。「ミカエル」を用いた最先端医療か、従来の術式による開胸手術か。そんな中、西條を慕っていた若手医師が、自らの命を絶った。大学病院の暗部を暴こうとする記者が、「ミカエルは人を救う天使じゃない。偽物だ」と西條に迫る。二人の医師の「志」がぶつかり合い、大学病院の闇が浮かび上がる。命を救うための、正義とは――。気鋭の著者が、医療の在り方、命の意味を問う感動巨編。------------単行本 2021年10月 文藝春秋刊文庫版 2024年10月 文春文庫刊この電子書籍は文春文庫版を底本としています。