アダムの原罪によって「楽園」を追われた人間はどうすれば、神の世界である「天」へと立ち戻ることが可能なのか。キリストの受難によって、罪はあがなわれ、キリストへの「ゆだね」によってこそ、それが可能とする。神学教育をうけたわけではない靴職人によって書かれた本書は、ドイツ神秘主義思想の始まりの書でもある。
【目次】
序言 本書について好意ある読者に寄せる著者の序言
第一章 自然における神的本質の探求について
第二章 いかに神と自然の本質は考察されるべきかについての指針
第三章 きわめて祝福され、勝利に充ちた、聖にして聖なる三重性、父、子、聖霊なる神、そして唯一なる神について
第四章 聖なる天使の創造について。一つの指針あるいは開かれた天上の門
第五章 天使の体的実体、本質および固有性について
第六章 いかに天使と人間は、神の似姿および像であるか
第七章 天使の外廷、場所、居住および統轄について。創造ののち、それらは始めにいかに成立し、またいかにしてそのようになったか
第八章 天使の王国のまったき体について。大いなる秘義
第九章 優雅にして親愛なる、また慈愛深き神の愛について
第一〇章 神的な力における第六の根源=霊について
第一一章 神的な力における第七の根源=霊について
第一二章 聖天使の誕生と到来、および統轄、秩序、そして天上の歓喜の生について
第一三章 ルチフェルの王国の、恐るべき、嘆かわしい、悲惨な堕落について
第一四章 いかにして天上の最も美しい天使ルチフェルが最も忌わしい悪魔になったか
第一五章 ルチフェルにおける罪の始源の、第三の相あるいは形姿について
第一六章 ルチフェルとその天使たちにおける罪の始原の、第七の相あるいは形姿について
第一七章 潰敗せる自然の嘆かわしい惨めな状態、そして聖なる神の統治に代わる四元素の起源について
第一八章 天と地、そして第一日の創造について
第一九章 創造された天、地と水の形姿、そして光と闇について
第二〇章 第二日について
第二一章 第三日について
第二二章 星々の誕生と第四日の創造について
第二三章 地の上方の深みについて
第二四章 星の合=体化について
第二五章 星々の誕生の全身体すなわち全占星学、あるいはこの世界の全身体について
第二六章 土星について
著者の結語。書簡一〇・三八
訳註
後記
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