太陽がその勢いを失い、地平のかなたに沈むときから、彼の活躍がはじまる……。高校で国語を教える凡庸な男・吸田伊門にはもうひとつの顔があった。夜になりさえすれば、バンパイアとして無類の強さを発揮できるのだ。だが、それと引き換えに強烈な渇きが身をさいなむ。一刻も早く清らかなバージン・ブラッドを飲まなくては! いっこうに進展しない同僚の教師・留美との仲に見切りをつけ、ネオン煌く街路へと踏み出した彼だが、そこで信じられないものを眼にする。女性の首筋に穿たれた二つの穴。もしや、この街に俺以外の吸血鬼が潜んでいるのか!? しかも相手は能力を誇示し、さかんに挑発をくり返す。穏便に生きてきた隠れ吸血鬼と、本能のままに獲物をしとめる新たな吸血鬼。強大な妖魔のプライドが激突し、もはや死闘は避けられない。いずれが斃れ、いずれが闇に勝利を叫ぶのか?! 急展開を迎えるダーク・ヒーローシリーズ第5巻(全10巻)!