『情熱大陸』(TBS系列)をはじめ、ドキュメンタリー番組やスポーツ番組など多種多様な番組やCMでナレーションを務め、日本を代表するナレーターのひとりである窪田等の初の著書。「彼の声を聞かない日はない」と言われるまでに、精力的に数多くの仕事を手掛けてきました。そうした現場の積み重ねで培ってきた「伝える」ことについての哲学と技術を、本書であますことなく公開します。自分が「伝えたい」ことが相手に「伝わる」ためには、まず相手の立場で考えることが大切です。伝える相手が何を見て、何を知っているのか。それらを理解して、話す言葉を選ぶ必要があります。また、相手が聞きやすい「間」も重要です。相手の気持ちを高めるため、相手が理解する時間をつくるために「間」をとることは、伝わるために非常に効果的です。一方的に自分の話したいことを喋っても、相手には伝わりません。相手に寄り添いながら、話す言葉を選び、話すタイミングを調整する必要があります。このように、より相手に「伝わる」ためにさまざまな工夫やコツがあります。本書では、ナレーションの現場のエピソードなども交えながら、生活や仕事で活かせる「伝え方」を、ひとつずつ丁寧に説明していきます。伝わるための工夫を重ね、突き詰めてきた窪田等による「伝える」ことの集大成となる一冊です。