エンタメの深層をつかめ。大正時代、出版華やかなりし頃。「市民公論」編集部の松川は、窮地に立たされていた。担当した企画のせいで、筆者が大学を追われることになったのだ。奔走する松川に、主幹は驚きの決断を下す。同じころ、当代きっての人気作家・菊谷は、「書きたいものを書く」ための雑誌を立ち上げようとして……「100万部突破の常勝雑誌を作る」宿願は叶うのか?徳川夢声、谷崎潤一郎――作家や文化人たちが侃々諤々の議論を交わしながら、面白いものを作ろうと奮闘する様を描く。刊行点数200冊に迫るエンタメ界のトップランナーが送る、出版お仕事小説。