アルメニア使徒教会の殺人事件後に続いた同様の殺人事件。両耳の鼓膜を突き破られ、周囲には、血文字で書かれた聖歌『ミゼレーレ』の歌詞。元警部と薬物依存症に苦しむ刑事というはぐれ者ふたりによって明らかになっていく聖歌隊の少年たちの失踪事件と、殺された指揮者の秘密。彼は、ピノチェト軍事政権下の南米チリから亡命してきたドイツ系チリ人だった。南米のナチ残党と秘密兵器研究、謎のカルト教団のコロニー……。そして明らかになる、捜査権のない二人の驚くべき過去。グランジェの強烈な筆致に読者は翻弄され息を?むこと間違いない!