末期ガンが見つかった雄造は、手術や入院を拒否し家へと戻った。雄造と妻・道子にはひとり息子と孫がいた。だがひとり息子の雄一は事故で突然他界し、その妻は老夫婦を残し孫と共に家を出ていった。それでも機会があれば孫に会えていたが、元妻の再婚を機に生きがいであった孫との面会の機会も奪われていた。老夫婦は絶望していた。何の生きがいもない残りの人生をひとりで生きても意味がない。雄造と道子は2人一緒にこの世を離れると決心した…。表題作の他、軽度発達障害の息子を抱える母の苦悩を描いた「ハートの椅子」、離婚寸前の夫婦に突然襲いかかった夫の大病…すれ違う夫婦の決心を描いた「空を見上げて深呼吸をして」も同時収録。岡本ゆり先生が厳選した未単行本化の愛があふれる短編・第3集。絶対泣ける感動セレクション!!