侯爵令嬢アウラ・エルミニアには、前世の記憶がある。
前世で夫からの心ない言葉に傷ついてセックス恐怖症になり、転生後もそのトラウマを持っていたアウラは、12歳にして神殿入りしたいと願っていた。
しかし光の魔力が発現した兄が神殿に入り、アウラが侯爵家の跡継ぎになることが決まると、政略結婚の婚約者があてがわれた。
アウラの婚約者は、第二王子のアトラス。
しかしアトラスは、側室との子供であることから王宮内でネグレクトにあっていたのだ。
身も心もぼろぼろになっていたアトラスを王宮で拾ったアウラは、彼を侯爵家で引き取ることに。
そんなアトラスも、やがて輝くばかりの美青年に成長し、気がつけばアウラを溺愛するように。
しかし、アトラスの出生の秘密が明らかになり、アウラはどうすべきか迷ってしまう――。
「許さない。俺から離れるなんて。絶対にだ」
アウラの不安をよそに、アトラスはアウラと離れる気などないようで……?
作者より
「何を言ってもいい、何をしてもいい。だって親子だから、妻だから」
許されると思ってる?
それは大きな勘違いだから。
心に傷を持つ二人が、互いを思いやりながらゆっくりと愛情を育ててゆきます。
こんな癒しがあればいいなあと願いながら書いた作品です。
『捨てられ王子を拾ったらみごとに執着されました(1)』には「第一章 義を見てせざるは 婚約者の御名を知らされました」~「第一章 義を見てせざるは 拾った子犬が大きくなりました」までを収録