犯罪心理学と聞くと、犯罪行動のパターンから犯人像を割り出すことを想像する人も多いでしょう。しかし、それは幅広い犯罪心理学のわずか一分野にすぎません。社会から犯罪を減らすためのアプローチ、犯罪に巻き込まれないための考え方などを学ぶこともできます。犯罪心理学で特に大事なのがエビデンス(科学的なデータに基づく根拠)です。実は私たちが常識だと思い込んでいたことも、エビデンスに照らし合わせてみるとまったく根拠のない通説だったということも少なくありません。たとえば、「厳罰化には犯罪を抑制する効果がある」と思い込んでいる人は多いですが、実は厳罰化に犯罪抑制効果はありません。本書を読むことで、あなたの中の常識が大きく変わることでしょう。