東京大学の授業料値上げの検討は各方面に波紋を呼び、学生からは激しい反発を招いた。
大学の学費値上げが進めば、近年話題となっている「教育格差」はさらに拡大するのか。
格差拡大を防ぐ手立てとして何が考えられるか。
本特集では、主要大学学長への緊急アンケートを行うとともに、大学生活の現実、過熱する中学受験、教育負担の国際比較など、教育格差の現状に多角的に迫る
(『中央公論』2024年10月号特集の電子化)
●コロナ禍前後の学力の変化
四つの教育政策の盲点と求められる実態把握
松岡亮二
●〔座談会〕
落ちる「豊かさのスタンダード」
令和の大学生のリアル
岩本菜々×増村莉子×今井悠介
●学費値上げしますか? 主要大学学長アンケート
●全31大学の回答を読み解く
アンケートから見えた大学間の温度差
小林哲夫
●なぜ国公立大学の学費150万円を提案したのか
教育の質向上で日本の危機を克服する
伊藤公平
●放置された不平等の慣性(イナーシャ)
――授業料と財政支援の国際比較から見る日本の大学
苅谷剛彦
●塾代は3年間で約250万円
中学受験ブーム過熱と「教育格差」論の落とし穴
おおたとしまさ
●生活は楽でなくても実験に没頭してこその今
苦学生から科学の伝道師へ
米村でんじろう