ドゥルーズにとって諸芸術はどんな意味を持つのか。美学を適用するための倫理を探りながら、日本批評の「否定神学批判」の射程距離をも探る。俊英による日本現代思想の新たな展開がここに!◎千葉雅也氏絶賛!博士論文をもとにした著作に、人々の価値観を根底から揺さぶろうとする気合いを込める――今や往年のあり方となりつつあるその禍々(まがまが)しいまでの熱意を、久しぶりに読んだ。芸術と哲学の距離。そして、ものごとの自律性を改めて肯定すること。何もかもをクリエイティブだと言って微笑むようなこの時代に、創造性とは何かをゼロから問い直す。◎内容非美学は、批評の条件についての哲学的思考である。非美学は他者から〈眼を逸らす〉ことの意味を思考する試みである。--哲学を「概念の創造」として定義したドゥルーズにとって、芸術を通して概念を創造する批評とは何だったのか――ドゥルーズに伏在する「言葉と物」の二元論から、今世紀の日本の批評を導いてきた「否定神学批判」の限界に迫る、俊英による真の現代思想がここに!--他者から〈眼を逸らす〉ことの意味は、いかにして思考可能なのか?われわれの現代思想はここから始まる!