あらすじ梅田という地には、祈りと願いが込められている。祈りは座敷わらしとして、広場の片隅に棲む。菅原道真からはじまる梅田の歴史は、阪急を創設した小林一三、紀伊國屋書店をつくった田辺茂一へ受け継がれた。令和のいま、茂一の座敷わらしが、大阪らしい予想外の展開を繰り広げているのを見ている。祖母、父、娘の三代と、運命の縁でつながった人たちが、大阪梅田、西成、京都祇園を舞台に、虚実入り交じって描かれる、ちょっとあったかくて、良い物語。