日本でもパンデミック後の最前線における人材不足が問題となっているが、米国企業のそれも深刻である。企業側はその原因をパンデミックによるショックや政策と考えてしまいがちだが、真の原因は現場で働く時間給労働者のマネジメントを誤ったせいであると筆者たちは指摘する。時間給労働者の貢献を見落とし、その生産性を高め、成長意欲をかき立てるようなマネジメント慣行を取り入れてこなかったのである。最前線の労働者たちの環境を改善し、企業の競争力も高めようとする「マネージング・フューチャー・オブ・ワーク」プロジェクトにおける研究成果をもとに、企業の時間給労働者に対するマネジメントの失敗を分析し、そのポテンシャルを引き出す方策を提言する。
*『DIAMONDハーード・ビジネス・レビュー(2023年12月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。