仏に逢うては仏を殺し、祖に逢うては祖を殺せ。既成概念に縛られず、あえて斬り捨てて自由を得よ。動乱の河北地方に灰燼の中にぬっくと立ち上った臨済義玄の熱喝が千年の時空を超えて問いかける。威に拠らず、個々の人間主体を無条件に肯定し、その完全な発揮を求める。禅語録の最高峰を読み下し・原文・平易な口語訳・わかりやすい注釈で構成。関係人物在世年表・法系図付
目次
一仏法の相手 すずしい樹蔭 虎のひげ
二山奥に松を植える
三生き埋め
四若もの
五居ねむり
六泥棒の悪知恵
七一日にどのくらい食べる
八北方に持ちがいのある寺がある
九河南でなければ
一〇脱体制の聖者
一一三人の修行僧
一二二人のお客さま
一三施主の食事
一四臨済の小わっぱ
一五本もののロバ
一六普化の鈴
一七普化の別れ
一八何事もなかったと思わねばよいが
一九四つの場合
二〇丸木の柱
二一もち米
二二三つの方法と十二種の経典
二三答えても三十棒、答えんでも三十棒
二四千の手と千の顔
二五黄金の粉
二六世間のおきて
二七ダルマの墓
二八仏法の相手
二九よもぎの枝でなでてもらうように
三〇杏山との対話
三一二はい目のよごれ水
三二禅板と蒲団
三三径山の五百人の僧
三四ひとりもやりすごさぬ
三五維摩と傅大士
三六家と過程
三七渾崙の山
三八弟子を認めず
三九正直な考え 三つの仏身 眼に出ると見るという ヤージュニャダッタ
四〇何事もないのが高貴のお方だ 心の根本真理
四一本ものの出家
四二仏を説き伏せよ 禅宗の考え
四三名目にとらわれてはならない 四つの変わりようのない境地
四四四つの要素を使うもの 五台山に文殊はいない
四五自から信ぜよ 一人前の男
四六三種の明るい眼の浄土 偉大な友人 何を修理するのか
四七悟りは自由の条件にすぎない 六つの神通力 師家と弟子と 戒律も経論も一時の応急手当て 物にたよらないでやって来い すでに起こった事は気にかけるな 菩提樹と無明樹 主と客の四つの出会い まっくらがりでそれ自から光るもの 修行者の三つの型 おらが仏法 衣裳についてまわるな 早口競争は仏法と何のかかわりもない
四八祖師や仏の師となる
四九光をはねかえして逆に相手を照らせ
五〇大通知勝仏という仏 奈落の底におちる五つの罪
五一無明は父である 文殊はゴータマを殺そうとした 正直な考えだけを求めよ 何かを説きたてたらもうすかたんだ
五二竜光をたずねる
五三黄檗を背負う
五四大慈との対話
五五襄州華厳をたずねる
五六ある尼僧との対話
五七翠峯との対話
五八象田との対話
五九明化との対話
六〇どちらへ行かれる
六一鳳林との対話
六二金牛との対話
関係人物在世年表
法系図
解説『臨済録』と『歎異抄』 柳田聖山
索引