定食屋でアルバイトをしている河原美琴は、なぜか株式会社テラーズ代表取締役社長・小野寺泰晴とお見合いをしていた――。
きっかけは、ある日、定食屋の前で具合が悪そうにしていた小柄な老婦人を助けたこと。
美琴が助けた人こそ泰晴の祖母であり、そのことを知った祖父が孫とのお見合い話を持ちかけてきたのだ。
とある事情を抱えた美琴は、最初からお見合い話を断るつもりでやって来ていたのだが――?
紳士で誠実な泰晴との時間は心地よく、また離れがたいもので……。
一晩だけと求め、抱かれた夜はどこか切なくも溺れるほどに甘いものだった――……。
「声、聴きたい」
翌朝、バイト先の店長から理不尽な理由でクビを言い渡されてしまった美琴。
そんな彼女に泰晴が持ちかけてきたのは、時給三千円の偽妻としての仕事だった――!?