不知火海とともに生きた詩人・作家、石牟礼道子(1927~2018)。
『苦海浄土』をはじめとする彼女の作品に、浄瑠璃、説経節、近代以前の地誌や紀行文など、広く〈古典〉と呼びうるジャンルやテクストからの影響や引用が認められることはつとに知られている。
しかしながら、その実態はいまだ明らかにされていない。
石牟礼道子は、〈古典〉をいかに受容し、自らの文学をものしたのか。
石牟礼の思想と文学は、〈いま〉を生きる表現者たちにどのような影響を与えたのか。
日本文学・民俗学・歴史学・演劇学・環境文学を専門とする研究者と、詩・音楽・能楽・染織・演劇に携わる表現者が、その答を探る。
論文、エッセイ、インタビューに加え、新作能『不知火』初演時の「演出ノート」も再録!
《執筆者》
山田 悠介/赤坂 憲雄/小峯 和明/野田 研一/後藤 隆基/小池 昌代/寺尾 紗穂/荻久保 和明/安田 登/志村 昌司/笠井 賢一/北條 勝貴/樋口 大祐/粂 汐里(執筆順)