【内容紹介】
災害は全ての社会問題が噴出する。
高齢者・病人、弱者・・・。
2018年西日本豪雨の被災者の実体験、ゲリラ豪雨、気温上昇などの異常気象。
被災した本人だからこそ伝えられる、いざとなった時に人はどう動くのか。
数々のデータをもとにあの日の行動を検証する。
【著者紹介】
[著]金藤 純子(かねとう・じゅんこ)
株式会社EnPal 代表取締役。岡山大学大学院 環境生命自然科学研究科 博士後期課程在学。西日本豪雨で家が全壊した経験をきっかけに2020年6月EnPalを起業。防災研修、イベントを通じて防災啓蒙活動を行う。岡山大学では、事前防災における自助共助公助の役割と防災まちづくりについて研究。倉敷市真備町出身。
[監修]西山 哲(にしやま・さとし)
国立大学法人 岡山大学 学術研究院 環境生命自然科学学域 教授
[監修]今井 明子(いまい・あきこ)
サイエンスライター・気象予報士
【目次抜粋】
■第1章 西日本豪雨で私の身に何が起きたのか
ペットがいるから逃げられない
想像と違った洪水の家の中
水害に遭うと、どうなるのか
1か月半にわたる過酷な片付け
死んでもええから、かえらせてくれ
なぜ、被災地に人々は戻るのか?
■第2章 なぜ毎年河川が氾濫するようになったの?
真備町の治水の歴史を知りたい
水害を機に始まった真備町緊急治水対策プロジェクト
人が川の大きさを決めるってどういうこと?
明治の高梁川大改修
河川の整備はどんな手順を踏むのか
計画が決まっても実行までがいばらの道
COLUMN:教えて西山先生! 「○○分の1の確率で降る雨」って何ですか?
■第3章 「公助」のハード対策はどれだけ役に立っているの?
やっぱり工事の効果はある
ダムは役に立っているのか
緻密な計算のもと、ダムの計画を立てる
ダムは不足している?
治水ダムと利水ダムが協力しながらやっていく
ダムは環境を破壊するという懸念も
ダムは悪者なのか
川とどうやって付き合っていくべきか
COLUMN:教えて西山先生! 「想定最大規模」っていったい何ですか?
■第4章 激変する環境に対応する「流域治水」という考え方
総合治水と流域治水の違いとは
流域のあらゆる関係者がどう協働するか
管轄を超えた協働で内水氾濫対策も行う
老朽化するインフラの限界はどうする?
ハードルの高いコンパクトシティ
COLUMN:教えて西山先生! 流水治水が生まれた背景は地方創生もあった
■第5章 「自助」ってなんだ?
自ら情報を取りに行く
避難所判断の「大きな勘違い」
日の出を過ぎていたのに、なぜ逃げられなかったの?
ハザードマップも活用しよう
COLUMN:教えて西山先生! 「知る」ことで大事なことって何ですか?
■第6章 「共助」ってなんだ?
「こんなものは使えない」という声から生まれた
要配慮者マイ・タイムラインを作るためには
高齢者に避難してもらう難しさ
誰のいうことなら聞いてくれるのか
一番難しいご近所さん集めを次のドラマに
可能な限り住み慣れた自宅や地域の中で暮らし続ける
ケアマネいのち!!!
演劇で学ぶ「老いと防災」
共助の仕組みを根付かせる
真備町の取り組みを全国に展開できるか
共助は「みんなが仲間になる地域の役割」
COLUMN:教えて西山先生! 地球温暖化っていったい何ですか?
■第7章 エピローグ:ゆるやかな緑でいのちが助かるまちづくり
防災ボランティアを通じて知る地域活動
真備町で起きていたことは全国で起きている
災害があらわにする日本の社会問題
COLUMN:教えて西山先生! 内水氾濫と外水氾濫の対策の違いは?