「わぁ――なにこれ」季節は5月。まだ早いにも関わらず、学園の通称の元になったひまわり畑には、大輪のひまわりが咲き乱れていた。「ねぇ――知ってる?」「季節はずれのひまわりは、生徒たちに幸運をもたらすんだって」かつて仲良しだった女の子たちとの、3年ぶりの再会。人里離れた学園を舞台に、友人たちとの穏やかな時間が流れていく。こんな生活がいつまでも続くものと、誰もが思っていた。そう……永遠に。3年前の夏、仲良しグループはバラバラに砕けてしまった。その砕けたカケラの一つ一つを拾い集めたとき――壊れた少女たちが胸に抱く闇、そして愛に、触れることになる。