本書では著者が92歳という年齢になってみてわかったことを分かりやすい言葉でお伝えしています。
人は幾つになっても成長できるのです。
老いを受け入れながら、今日一日をどう心豊かに生きるか? それこそが人生で一番やりがいのあることかもしれません。
内容は、よく老いるということとは? 大切な人との別れについて、心の切り替え方、立場や役割を失ったとき、心の整え方など具体的なアドバイスを載せました。また、私がなぜ修道者の道を選んだのか、修道服を脱ぎ普通の服を着ているのかなども初めてお話しました。
心豊かに老いるために一番大切なことは、今を生き切るということです。私たちのほとんどの苦しみや悩みというのは、過去をクヨクヨ思うことと、先のことをあれこれ不安に思うことからきています。
頭がそれでいっぱいだと、キレイな花が咲いているなとか、家族や友だちの表情がいつもと違うなとか、何を食べたとか、そういうことが全部抜けて、今を感じて生きることができなくなります。
人のエネルギーは限られています。若いときと違い、年をとるとエネルギーの減り方が激しくなります。限られた自分のエネルギーを、自分が大切に思っていることに集中して使えるようにしておかないと勿体ないですね。
老いるということは人生を熟成させるということ。
〈大丈夫。今度はこうしてみよう〉
前向きな気持ちが大切です。私自身、よりよく老いたいと切に願っています。
鈴木秀子