どんなに騒がれた大事故でも、時がたつとともに世間から忘れられていきます。しかし、この事故の裏側には、決して忘れてほしくない事実や、人のやさしさがありました。私は、日航機事故のその後を、多くの人に伝えたいと思いました。(本文より)
雪解けの尾根を登る日航社員、上野村の村民、マスコミの人たちとの交流を重ねるうちに生まれた人間ドラマを、筆者のやさしくも厳しい目とココロが追う。「日本航空123便墜落事故」の遺族が自らペンを取った感動のノンフィクション作品。
第一章 遺族として過ぎた十一年
第二章 日航の社員たち
第三章 墜落現場の上野村と村人たち
第四章 忘れられないマスコミの人たち
第五章 尾根に散らばる遺品
第六章 遺書が取り持った友情
第七章 御巣鷹の尾根管理人
●池田知加恵(いけだ・ちかえ)
東京都生まれ。慶應義塾大学文学部社会学科卒。