大学を卒業したばかりの荘野怜は、ある日、エルハラード王国という異世界に転移してしまう。持ち物は、亡き祖母のコメントが添えられた謎のレシピ本のみ。そんな怜がこの世界で最初に出会ったのは、ユアンと名乗る剣士だった。ユアンは武勇にすぐれた頼もしい人物だったが、マスクで顔を隠している訳アリな男だった。ひとまず、ユアンに護衛をしてもらいながら安全な街まで一緒に旅をすることになったが、問題は日々の食事。なんと、エルハラード王国には調味料がほとんどなく、人々は味がしない料理を食べているのだという。味覚という概念がない国で、怜はレシピ本を頼りにエルハラード王国の食材で様々な料理に挑戦する。すると、行く先々で食べることへの感動が広がっていった。その傍ら、ユアンとの距離も縮まり、怜は甘い恋心を抱くようになるが・・・?