それは「未来」へ繋がる小さな一歩――「みんなが我慢しなくていい方法を、ちょっとずつ探していこう」。作家・森沢明夫さん推薦! ある家族を中心に紡がれる、感動のデビュー小説。作家・森沢明夫さん推薦!人生の長く暗いトンネルも、そこから抜け出した世界の明るさも、すべては「出会い」が織りなす美しい奇跡であることを信じさせてくれる物語でした。[内容紹介]「あの日、私を救ってくれてありがとう」現日スポーツの記者・直生は、栄神タイガースの抑えのエース・宮城峻太朗に絶大な信頼を置かれている。ある日彼は、宮城がフリーエージェント権を行使して、メジャーへ挑戦することを内々に知らされる。その挑戦を喜ぶと同時に、少しだけ羨ましく思う直生。いつか自分も独立して海外で取材がしたい……彼には二人の娘がいるのだが、次女の奏が自閉スペクトラム症で、子育てを妻の栞に任せきりだった。そんな中、奏が怪我をして入院することに。緊張の糸が切れたように崩れ落ちる栞を前に、直生は何一つ声をかけることができない。深まる溝、先の見えない未来。後悔の中、彼は思う。そもそも自分は、なぜ、この仕事を選んだのか……すると、中学時代に出会った先輩・佐々倉美琴の姿が脳裏に浮かんできた。いま、小さな再生の物語(ドラマ)が幕を開ける。