流した涙が宝石になる、奇跡の宝石姫シファー。
彼女の宝石には傷病を癒し浄化する神秘の力が宿っていた――。
そのため、彼女を狙うものも多く、高き石の塔の上にシファーの身柄は隠されている。
ある夜、人里を襲っていた毒竜がなぜか王都までやってくると、シファーの住む塔の屋根を突き破ってきた……!?
しかし、そこにいたのは隣国より駆けつけて竜討伐に参加していたはずの、スレイマン殿下であった。
目の前に現れた彼はひどい怪我を負っており、さらには竜の毒に侵されているかもしれず――。
無事を願い彼を送り出していたシファーは、彼の姿に長らく忘れていた「泣くこと」を思い出し、涙を流したのだが……。
溢れ出した涙を口にしたスレイマンにそのままキスをされてしまう――!?
「あなたの涙は、とても甘い」
そう言った彼の様子はいつもとどこか違い、禍々しい雰囲気があって……?