「わたくし、木戸雪菜と申します。 お館様……英二様のお父上、三島英一郎様のお屋敷で、メイドとしてお仕えしておりました」ある日、俺の住むオンボロアパートに不似合いなメイドが訪ねて来た。彼女は、父が亡くなった事とその遺産の相続権が俺にあると告げる。父は俺が赤ん坊の頃に浮気して、それが原因で離婚になったと聞いている。そんな経緯だから父の写真などは見たことがない。俺にとっては、俺と母を捨てた男、というイメージがあって、会いたいとか父について調べたいとか思ったこともなかった。相続する気もなく「……とにかく、お断りします」と、告げる。すると彼女は、突然全裸になり、そして……「英二様、さあ、楽になさってくださいませ」それから、驚いて後ずさることもできなくなってる俺めがけて、古武道のような動きで優雅に跳ねたかと思うと、躍りかかってきたのである。(C)どろっぷす!/アパタイト