企業が経費削減を目的にレイオフを行う時、その標的となるのが中間管理職である。しかし、複雑かつ急速に変化する環境下で経営を舵取りしていくためには、現場に最も近い存在である彼らの活躍が欠かせない。彼らを安易に切り捨てれば、さまざまな問題が生じると筆者らは指摘する。重要なのは、人員削減よりも中間管理職の役割を再評価し、組織の要として潜在能力を発揮できるように能力開発や配置転換を行うことだ。官僚主義という足かせを外し、「選手兼コーチ」という二重の役割を解消して、本来の管理業務に専念できる状況をつくる必要がある。
*『DIAMONDハーード・ビジネス・レビュー(2023年10月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。