あらすじ『息は詰まるし一緒にいても詰まらない。お願いだからもう別れてくれ』十年付き合った彼に振られ、傷心旅行で訪れた京都のとあるバーで、美玲は二股をかけられ、いきりたっている女性とその女性を冷たく見つめるスーツ姿の男性の修羅場に居合わせてしまう。見るともなく眺めていた美玲だったが、女性が男性にかけようとしたカクテルが、彼が避けたことですぐ横にいた美玲にかかってしまう。潔癖気味な美玲には、他人が口をつけた液体を被っていることが我慢できない。一刻も早くシャワーを…と焦る美玲に、男性が謝罪しながらジャケットをかけてきた。——いや、他人のジャケット、普通に無理。と、ひっぺがして突き返すが、そうは思いつつ違和感があった。この人の香りだろう。香水とはまた違う、ここちよい匂いに飲み込まれそうになる美玲だったが……!?