嫌われても、居場所がなくても、人生は続いていくのだ
幼い頃から人ならざるものを視ることができた文子は奉公先から気味悪がられ、暇を言い渡されてしまう。ある日、呪いのせいでお面が外せない古道具屋の店主・蔦野清志郎との縁談が持ち上がる。いざ古道具屋に赴くと、「表向き夫婦だが、妻として扱う気はない」と宣言された。しかし、古道具屋の仕事を手伝う中で文子は己の居場所を見つけ、清志郎と少しずつ心を通わせていく――。
■猫屋ちゃき(ねこや・ちゃき)
「第2回お仕事小説コン」にて『こんこん、いなり不動産』で特別賞受賞。
■イラスト
桜花舞(おうか・まい)